2025年12月10日(水) 八千代市市民会館多目的室
永野むつみさんを講師にお招きし「絵本塾」を開催しました。
参加したのは子どもネット八千代の大人会員15名。30代から70代まで幅広い年齢層の皆さんと数時間にわたる語り合いの場となりました。
参加者それぞれ1冊の絵本を持参し、その1冊の向こう側に広がる想いも合わせて自己紹介するところから始まりました。
子育て奮闘中の今だからこそ響いてしまうこの絵本、歴代の孫がなぜだか必ず選んでもってくる絵本、自身が幼いころに繰り返し読んだ懐かしい絵本、子育て中の自分と我が子を繋いだ2人にとって思い出の絵本、大人になった今、自分が好きで選んできた絵本。いろいろな背景を持つ絵本が寄せられました。



むつみさんはその具体的な絵本を通して、そこにある短い文章と画を頼りにその絵本の核心に迫っていきました。自分勝手に想像していくのとは違っていて、確かにそこにそう書かれているということがあくまでも軸で、そこからぶれることはありません。
絵本は短いセンテンスと絵でその世界が表現されています。伝えたいことを伝えるために「言わないでおく」ことが選択されて成り立っている芸術作品ともいえます。削ぎ落された末のメッセージだからこそ生まれたその余白に、読み手の想像が自由にのることができるわけですが、「自由な想像」をするにも実は簡単なことではないのだ。という次なるお題に話題が移っていきました。
「自由な想像」をしようにも、自然の中での身体感覚を十分に培っていない場合、そこには感動も、共感も発生しないという事実、課題をどうするのか。
そしてまた、こんな風に「言葉」を駆使して課題や気持ちを表現して伝えて生きてきた私たちに潜む危険についても飛び火。言葉では言い表せない感情を言葉に置き換えてまとめることは、言葉を使って生き始めた子どもたちにとって実は危ういんじゃないかというのです。
もつれてしまった気持ちや、後ろめたくて消えてしまいたい心情を(大人の)言葉でまとめてしまわない方法で核心に近づいていくのに適しているのが「アート」なんじゃないか。
「絵本は生きるテキスト」「絵本は小さな美術館」「絵本は大きな哲学書」むつみさんからこぼれてくる言葉のひとつひとつに私たちは何かをつかみかけたような、掴めないような...
絵本を通してむつみさんを掛け合わせた「絵本塾」は、大きな波紋を広げながら公演終了後の数時間にわたるクールダウンの時間をもって終演となりました。
参加者の感想(抜粋)
- 「ザガズー」は 1 歳児の子育て広場みたいなので知って、周りは 1 歳児くらいの子の保護者でみんな同じような感じ方(?)をしていましたが、今日は様々な年代、ステージの方がいて ペリカンに感情移入している人もいてびっくりしました(笑)いろんな見方がありますね。改めて、子どもネットに入会して今回参加してよかったなと思いました。(30 代)
- 自分の今と絵本をあてはめて考えられるから、絵本はすばらしいのだと思いました。昨日、絵本をひっぱり出して選ぶ作業をしたこと、本日絵本塾に参加したこと 全てに意味があると思いました。ありがとうございました。 今、伝えるべきことを考える(いらないものを捨てる)考えていましたがあらためて学びました。(40/50 代)
- たくさんの宿題を出していただいたので、もちかえってしみこませて日々の生活に役立てます。頭ばかりで考えず、感覚を大切にすることはきっと豊かに生きられるヒントですね 。(40/50 代)
- 息子と話す時“つまり”とまとめてしまうことが増えていたことに気づきました。一冊に絞って持って来られなかった自分にもちょっと残念。でも、どの集まりでもこんな風というわけではないのです。自由でいられる森があることに感謝して、森の精にもなれるようにと思います。森の精にもいろいろな人がいるなと思いながらみなさんの話しを聞くのも楽しかったです。(40/50 代)
- 1 冊の絵本にまつわるエピソードを通してその人のことを知るのがおもしろかった。会員限定ならではの良さですね。(中略)ひとつの本を読んでも皆が違うところに注目するのも面白い。こんな対話ができる場ってないので貴重でした。(40/50 代)
- 「余分なものを捨てた方が人に伝わる」というのは、相手の為を思ってつい話しを盛り込んでしまう私には難しいことですが、とても大切なことですね。少ない人数で、年齢にも幅があったお陰で、深いお話がたくさん聴けて有意義な一日でした。(60 歳以上)
- 言わない事も大切ということもなんとなく納得。言葉の伝え方、選ぶ力をつけれるような人になりたいと思います
- 沢山の絵本とそれを持って来てくださった方々と、永野むつみさん、絵本を真ん中にした、感じた事を感じたままに自由に言える豊かな会話のできる素敵な空間、色々な意見を聞き、自分の浅さを感じ沢山学べました。一番大切な事は何か?何を選び何を捨てるか?読み、見るという絵本の世界から、聴く、伝える。という世界まで、思考を巡らせることができました。(60 歳以上)




